2002 Fiscal Year Annual Research Report
エルビニア族細菌の産生するバクテリオシン産生制御機構
Project/Area Number |
02F00513
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
神尾 好是 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ANH Hoa Nguyen 東北大学, 大学院・農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | Erwinia carotovora / カロトボリシン / バクテリオシン / 遺伝子 / 選択的宿主菌吸着 / tail fiber / core / sheath |
Research Abstract |
植物病原菌Erwinia carotovoraの産生するカロトボリシンは、バクテリオファージ尾部状構造を有するバクテリオシンである。本研究においては、9株のErwinia carotovoraのカロトボリシン遺伝子領域、特に、カロトボリシンの主要な構成成分であるsheath、core、および、tail fiber遺伝子を解析して以下のことを明らかにした。 1.Sheathおよびcore遺伝子は全ての株で高い相同性を示した。しかし、各Erwinia carotovora株のtail fiber遺伝子の塩基配列は、3'末端側領域において大きく異なっており、tail fiber遺伝子の3'末端領域がカロトボリシンの抗菌スペクトルを決定することが明らかになった。 2.同一のErwinia carotovora株が2種類の異なるカロトボリシンを産生することが見出し、その原因がtail fiber遺伝子の3'末端部分におこるDNA inversionであることを明らかにした。 3.カロトボリシンは、Escherichia coli、Enterobacter cloacae、Salmonella typhimurium、およびSerratia marcescensを殺菌した。 4.Erwinia carotovoraのリポ多糖がカロトボリシンを不活化すること、および、Salmonella typhimuriumのLPS変異株に対して異なる抗菌スペクトルを示したことから、LPSがカロトボリシンのリセプター(あるいは、レセプターの一部)であると考えられる。
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