2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00514
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
新里 孝和 琉球大学, 農学部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WU Lichao 琉球大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 亜熱帯里山林 / 天然更新 / 萌芽更新 / 皆伐林形 / 択伐林形 / 帯状伐林形 / 生物多様性 / 維持機構 |
Research Abstract |
試験地は沖縄島北部(通称"山原")にある琉球大学農学部附属施設の与那フィールドに設定した。試験地の伐採種と設定年度は皆伐林(1992年度)、択伐林(1993年度)、帯状伐林(1994年度)の3区とし、そのうち択伐林、帯状伐林を本年度の対象林とした。各試験地で天然林を伐採した後、天然更新すなわち二次遷移の解析のため、伐採木の根株の萌芽成長と腐朽度、伐採時損傷木と残存木の成長、残存稚樹及び新規発生木の成長、実生及び草本植物の生育状況から、樹高1m以上の全個体の毎木調査と階層区分による全構成種の植生調査を行った。 皆伐林は1998年に調査を行い、論文発表した。 択伐林は、100m^2 (10m×10m)プロットを8区設定した。1プロットの個体数は約850〜1,000本で、調査地の全個体数は約7,500本であった。 帯状伐林は、10m幅で天然林残存区と皆伐区を交互に配置して、各林分内に100m^2 (10m×10m)プロットを残存区5区、皆伐区5区、計10区設定した。1プロットの個体数は残存区が約500〜550本で計約2,200本、皆伐区が約800〜950本で計約4,200本、調査地の全個体数は約6,400本であった。 現在全プロットの毎木調査個体及び植生調査のデータベース作成が進んでおり、解析を検討中である。データを概観すると、遷移途中相の立木密度が高いものの、伐採個体の消長及び萌芽茎の数量と成長量の差異は、樹種や前生樹の大きさの違いで現れ、死亡個体は約20%以下、根株腐朽度はかなり進行していることが伺える。階層構造はまだ未分化で、伐採後前期の侵入種はほぼ消失しつつある。1992年は台風が襲来したことなどが影響し、択伐林の残存個体や帯状伐林の残存林個体に倒木、幹折れ、枝折れなどがみられるようである。データベース作成の完了に伴い、調査結果を速やかに取りまとめたい。
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