2002 Fiscal Year Annual Research Report
AT2受容体に特異的な血管分化、リモデリング関連分子、転写調節因子の同定と機能解析
Project/Area Number |
02F00533
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
堀内 正嗣 愛媛大学, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WU Lan 愛媛大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | アンジオテンシンII / 遺伝子発現 / 血管分化 / 血管リモデリング / 血管平滑筋細胞 / 血管内皮細胞 / 受容体 / 転写調節因子 |
Research Abstract |
血管系の発生、分化と負荷に対する適応のメカニズムを分子、遺伝子レベルから解明することは病態解明の鍵となるとともに、新しい治療法の開発にも、必須の課題である。我々は、新しくクローニングしたアンジオテンシンIIタイプ2受容体(AT2受容体)が、その作用が良く知られているタイプ1受容体(AT1受容体)、増殖因子と拮抗して働くことを明らかにしてきたが、その発現、分子作用機構については不明である。本研究では、AT2受容体にて調節される血管分化、リモデリング関連因子の同定、クローニング、及び、AT2受容体発現を調節し血管分化を規定している転写調節因子の同定、クローニングを行い、それらの血管分化、形成、リモデリング、細胞レベルでは血管平滑筋及び血管内皮細胞に与える生理作用を検討する事を目的としている。胎児期血管分化早期に発現、生後その発現が急激に低下する胎児型AT2受容体発現を規定する転写調節因子を同定することは、AT2受容体のみでなく、血管分化、形成を調節する他の遺伝子を検索する上にも有用である。ラット(胎生期14,16,20日,生後1,7,14,28日)大動脈各時期より血管平滑筋細胞を調整し、AT2受容体の発現をラジオリガンド法にて、検討したところ、胎生期20日,生後1日にて、ピークを示し、以後発現は著明に低下した。AT2受容体プロモーター領域を種々の長さにカットしたものをルシフェラーゼ発現ベクターに結合したプラスミドを、これら、各時期より調製した血管平滑筋細胞に発現させることによりAT2受容体の発現を規定する領域を検索したところ、-755から-344の間にAT2受容体発現を増加させる転写調節領域が存在する事が示唆された。現在、その特定領域をDNaseフットプリント法、ゲルシフト法などにより、検討中である。
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