2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00541
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
佐藤 光信 徳島大学, 歯学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BEGUM Nasima Mila 徳島大学, 歯学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 22-oxa-1α,25(OH)_2D_32 / マイクロアレイ / PDK2 / ヒト唾液腺癌細胞 |
Research Abstract |
我々は、HSG-AZA3細胞において22-oxa-1α,25(OH)_2D_3処理にて発現変化のおこる遺伝子をcDNAマイクロアレイ法を用い単離した。その結果、pyruvate dehydrogenase kinase,isoenzyme 2(PDK2)にて11倍、Calcitoninにて4.6倍、zinc finger protein 177にて3.4倍、chloride channel,calcium activated,family member 1にて3.3倍の発現上昇を認めた。また一方で、elastin(supravalvular aortic stenosis,Williams-Beuren syndrome)にて7.4倍、6-pyruvoyl-tetrahydropterin synthase/dimerization cofactor of hepatocyte nuclear factor 1 alpha(TCF1)にて4.8倍の、TATA box binding protein(TBP)-associated factor,RNA polymerase III,GTF3B subunit 2にて4.2倍の発現低下を認めた。そのため、上記遺伝子に対する特異的PCRプライマーを設定後、10^<-7> Mの22-oxa-1α,25(OH)_2D_3処理後のHSG-AZA3細胞より抽出したcDNAを用いた半定量性RT-PCR法にて発現変化を再確認したところ、有意な発現変化を認めたものはPDK2のみであった。そのため、NCBIのゲノムドラフトシークエンスにより、ホモロジー検索にてPDK2のプロモーター領域をクローニングした。その結果、プロモーター領域には約280bpのスペーサーを挟んで、2箇所のビタミンD応答配列(aggtca)があることが明らかになった。このプロモーター領域をゲノムPCRにて増幅し、ルシフェラーゼレポーターベクター(pGL3-basic)に組み替えた後、HSG-AZA3細胞にトランスフェクションし、22-oxa-1α,25(OH)_2D_3にて処理したところ、約4倍のルシフェラーゼ活性の上昇を認めた。しかしながら、HSG細胞においても同程度の活性上昇を認めたことから、22-oxa-1α,25(OH)_2D_3によるPDK2の発現上昇は、骨芽細胞への分化の必須条件ではないことが推察された。しかしながら、PDKファミリーは解糖系からTCA回路を結ぶ重要な酵素であるpyruvate dehydrogenase^<67)>を不活性化させる酵素の一つであることから、我々の結果は22-oxa-1α,25(OH)_2D_3の作用機序にPDK2の発現上昇によるTCA回路の不活性化機構が存在することが示唆している。
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