2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00549
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
高橋 正身 北里大学, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHEN Nai?hong 北里大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 神経伝達物質 / チロシンリン酸化 / PC12細胞 / シナプス可塑性 |
Research Abstract |
チロシンリン酸化を介した神経伝達物質放出抑制の機構を明らかにするため、ラット副腎髄質細胞腫由来の株化細胞であるPC12細胞を用いて実験を行った。PC12細胞をチロシンホスファターゼの阻害剤であるPAOやPTPi-1を作用させると、処理時間および用量依存的に細胞内タンパク質のチロシンリン酸化が亢進し、Ca^<2+>依存的なドーパミン放出の抑制が引き起こされた。しかしながらPAOを用いた場合には、チロシンホスファターゼ阻害剤としての作用以外の様々な作用が引き起こされることが明らかとなったので、以後の実験にはPTPi-1のみを用いることにした。ドーパミンを含む分泌小胞膜にチロシンリン酸化されるタンパク質が存在するか否かを調べるため、PTPi-1処理した細胞を低張処理で破裂させた後、抗シナプトフィジン抗体で分泌小胞を免疫沈降した。構成タンパク質のチロシンリン酸化を、抗ホスホチロシン抗体を用いたイムノブロット解析で調べたが有意なリン酸化バンドは検出されなかった。このため分泌小胞以外に存在すると推察された神経伝達物質放出抑制に関わるチロシンリン酸化基質を同定するため、PTPi-1処理した細胞を界面活性剤で可溶化し、様々な抗分泌関連タンパク質抗体で免疫沈降を行った。現在、免疫沈降されたタンパク質の中にPTPi-1依存的にチロシンリン酸化が亢進するタンパク質が存在するかを、抗ホスホチロシン抗体を用いたイムノブロット解析で検討している。
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