2003 Fiscal Year Annual Research Report
PETトレーサー合成に向けた高速化学反応の開発研究
Project/Area Number |
02F00604
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
鈴木 正昭 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KUANG Chun Xiang 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | PETトレーサー / Suzuki型反応 / メチル化 / 高速反応 |
Research Abstract |
本研究グループではこれまでに、陽電子放射断層画像撮影法(PET法)による生体内分子イメージングを自指して、sp^2/sp^3炭素間のStille型高速クロスカップリング反応の開発に成功している。本反応では、[^<11>C]ヨウ化メチルの活用を前提に、それに対して大過剰量の有機スズ化合物をPETトレーサー前駆体として用いている。有機スズ化合物は第一に、多くの有機反応剤や精製資材に対して安定であるため最終段階での放射核の導入が可能であること、第二に、低極性であり、従って、クロスカップリング後の超微量^<11>C標識化合物の精製の際に、大過剰の残存非放射性スズ基質からの分離が容易であることなどの理由から、その使用はPETトレーサー合成に要求される諸条件を満たしている。しかし一方で有機スズ化合物は、PETトレーサー合成の観点からはそれほど深刻ではないにしても、その生体に及ぼす毒性が問題になることがしばしばある事も事実である。そこで本研究では、そのような毒性の心配のないSuzuki型クロスカップリング反応、すなわちホウ酸エステルのPETトレーサー前駆体としての活用を検討することにした。まず、モデル基質において種々反応条件のスクリーニングを行った結果、目的とする高速メチル化反応が収率良く準行する条件を見出すことに成功した。本反応は、従来のStille型高速クロスカップリング反応では低収率であった窒素原子などのヘテロ原子が分子中に存在しているような基質の場合でも高収率で目的のメチル化生成物を与える。今後、実際のPETトレーサー合成条件下で本反応の適用可能性を検討する予定である。
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