2002 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタグランジン機能解析のための新規PETトレーサーの設計及び合成
Project/Area Number |
02F00605
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
鈴木 正昭 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Guang Xing 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | PGF_<2α> / アクロメリン酸 / アロディニア / MFPA / 分子プローブ / アクロメリン酸受容体 |
Research Abstract |
プロスタグランジン(PG)類は、痛みの伝達や発熱などに関与している。PGE_2やPGF_<2α>はグルタミン酸およびNOを介してアロディニアを誘発するが、グルタミン酸に類似した構造を持つアクロメリン酸がPGF_<2α>のアロディニアを特異的に消失させることから、未知のアクロメリン酸受容体の存在が示唆されている。本研究ではPGF_<2α>のアロディニア消失に関わる新規アクロメリン酸受容体を同定・解析するためのプローブ分子の設計・合成を試みた。まず、アクロメリン酸による活性評価系を構築するため、市販されておらず、天然からの入手も困難であるアクロメリン酸の全合成を行った。4-ヒドロキシ-L-プロリンを出発物質とし、6行程を経て合成したビニルトリフレート体と、別途合成した置換フェニルホウ酸化合物との鈴木カップリングにより基本骨格を構築し、さらに6行程を経て目的とするアクロメリン酸を合成することに成功した。合成したアクロメリン酸はPGF_<2α>のアロディニアを消失させることを確認できた。アクロメリン酸自体は構造が複雑で分子プローブ化のための構造修飾に適さないことから、アクロメリン酸より数倍強い脱分極作用を示し、より単純な構造を持つ人工類縁体MFPAを探索プローブ創製のリード化合物として用いることにした。まずMFPAがアロディニア作用を示すか検証するため、MFPAの合成を行った。アクロメリン酸合成における中間体であるビニルトリフレート体と2-メトキシフェニルホウ酸との鈴木カップリングにより得られた化合物を水素添加し、4位での異性体を分離した後、脱保護、イオン交換クロマトによる精製で目的とするMFPAおよび4S-異性体を合成した。いずれの化合物も低濃度で強いアロディニア誘発活性を示すことがわかった。現在、いくつかのMFRへの構造修飾体を設計し、合成を検討中である。
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Research Products
(1 results)