2003 Fiscal Year Annual Research Report
爆燃波駆動衝撃波から爆轟波への遷移に関する動力学的研究
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02F00671
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高山 和喜 東北大学, 流体科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
STURTZER Michel Olivier 東北大学, 流体科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | デトネーション / プロジェクタイル / DDT / 衝撃波 |
Research Abstract |
現在、反応性混合気中に高速飛翔体を入射させ、その気体の燃焼を誘起するのに十分な強い衝撃波を発生させてデトネーション波の生成を行っている。飛翔体は、ポリカーボネート製で半頂角40°の円錐頭を持つ直径15mmの円柱で、約10gである。この飛翔体を火薬銃で8km/sまで加速して、水素・酸素混合気または水素・酸素・窒素混合気注入されたチャンバーに入射させる。そして、この様子を高速度ビデオカメラで撮影した。低反応性混合気では飛翔体は非反応性混合気と似た衝撃波を発生させ、遅れて反応性気体の燃焼を誘起するが、デトネーション波は観測されない。飛翔体背後の乱流領域を広くして混合気反応性を高めると、混合気は早く収束する。飛翔体で発生させたその先端に接するデトネーション波は、飛翔体後方の膨張域では非反応性衝撃波と離脱した燃焼域に分離される。最終的には、混合気の反応性が一定の範囲に達すれば飛翔体の前方に接した斜めデトネーションが発生する。この実験では、異なった速度の飛翔体でこの現象を観測し、斜めデトネーションの角度から平均速度を決め、計算したCJ速度と比較した。その結果、斜めデトネーションの角度から求めた平均速度と計算で得られたCJ速度の違いは3%以下であった。 飛翔体前方のデトネーションは、持続することはできないが飛翔体を押す。この領域でデトネーションの角度が変化し、強いデトネーションが観測された。そのため、この研究の次の段階は、飛翔体背後の乱れた領域の飛翔体先端と一定の角度を持つその乱れた領域においての角度変化を計測するために、飛翔体周辺の領域を拡大して観察することである。また、デトネーション波の持続領域におけるデトネーションセル構造の大きさを測定、明らかに衝撃波と燃焼領域が分けられているクエンチングデトネーションの間の遅れた燃焼現象を斜めデトネーション波になるまでの過程を長時間観測する。
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