2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00702
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
桑野 二郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
OBLOZINSKY Pavol 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | トンネル切り羽 / 遠心模型実験 / 有限要素法 |
Research Abstract |
本研究ではトンネル切り羽の崩壊メカニズムを把握し,その数値計算におけるモデル化を行う.具体的にはトンネル切り羽の安定に必要な最小トンネル内圧を求め,トンネル切り羽の安定を推定する予定である.本年度は崩壊メカニズムを観察するための遠心模型実験システムの確立と,有限要素法を用いた数値解析による検討手法の開発に努めてきた. 遠心模型実験については剛性容器の改良,トンネル模型の作製,水圧を用いて内圧のコントロールを行うシステムの構築を行ってきた.トンネル模型は半円筒状にしたメンブレンを用い,内部を脱気水で満たした.このトンネル模型はピストンの取り付けられたシリンダーとつながっており,ピストンを上下することによりトンネルボリュームを変化させることが出来る.このときの水圧,つまりトンネル内圧の変化を間隙水圧計で計測出来るようになっている.このシステムを確立し,トンネル切り羽の崩壊実験を行った.実験はこれまでに重力場での実験を2回,50Gの遠心場での実験を1回行っている.実験では使用したメンブレンが予想以上に堅く,切り羽の崩壊を模擬出来なかった.今後,トンネル模型の改良を行う必要がある. トンネル切り羽の崩壊を有限要素法によりシミュレートし,その安定性を評する試みを行った.今回用いた有限要素法では,斜面の安全率を求められるときに用いられるShear Reduction Methodをトンネル切り羽の安定問題に適用している.結果,トンネル内圧とトンネル切り羽の崩壊に対する安全率の関係を求めることが出来た.このFEM解析を用いて遠心模型実験結果を評価することが出来れば,設計における切り羽の安定性評価に有用であると考えている.
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