2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00708
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小川 浩平 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NEDELCHEV STOYAN NOVAKOV 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 気泡塔 / 混合度 / 逆混合 / 物質移動係数 |
Research Abstract |
気-液接触反応装置の最適操作条件に関する知見を得るため、塔内局所トレーサ濃度を電気伝導度法により測定したデータを以下のように詳細に解析し、新たな知見を得た。 局所トレーサ濃度の経時変化より、そのポイントにおける局所物質移動係数kLaを算出した。本研究では、塔内の非常に多くの点で局所濃度の変化を測定しており、その測定結果に基づく局所kLa分布のデータを得たこと自体が非常に有益で新たな知見となっている。本研究ではさらに塔内を上部と下部の二領域に分け、それぞれの領域におけるkLA分布に情報エントロピーの概念を導入してkLaの混合度を算出した。上部、下部の混合度の比をガス流速に対してプロットしたところ、上部と下部の値が等しくなるところ、すなわち比が1になるところで気泡塔内の流動状態がbubbly flowからchurn-turbulent flowに遷移することが新たな知見として得られた。また、この臨界流速より小さなところでは下部の混合度のほうが上部の混合度よりも大きく均質な流動状態になっており、これは既往の報告と矛盾のない結果である。一方、流速が大きくなると上部の混合度の方が大きくなるということがわった。これは、本研究で得られた新しい知見である。 また、kLaの分布にはジグザグの分布が見られた。気泡塔内には旋回流が形成されることが報告されており、本研究の結果はその旋回流が塔内の物質移動係数の三次元的なジグザグ分布をもたらしていることを示唆している。この点も、本研究で得られた新しい知見である。
|