2002 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル二酸化炭素リサイクルのための海水電解用カソード
Project/Area Number |
02F00714
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
橋本 功二 東北工業大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZABINSKI Piotr Robert 東北工業大学, 工学部, 特別研究員
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Keywords | 水素発生電極 / 海水電解 / Co-Mo-C合金 / 耐アルカリ性 / 難溶性電極 |
Research Abstract |
グローバル二酸化炭素リサイクルのKey Materialsの一つは海水電解において、省エネルギーで水素を製造する安価な電極である。本研究は、高性能が期待される合金を簡便なめっき法で作成し、合金化に基づく構成元素間の電荷移動によって合金電極から海水中のプロトンへの電荷移動を加速し、理論的に最高の活性と耐久性を備えた電極を創製することを目的とした。 今年度は、Co-Mo合金に耐久性と活性の向上を期待して炭素を添加したCo-Mo-C合金を作成し、海水電解の陰極環境を想定して、90℃の8M NaOHという高温濃アルカリ中における水素発生の活性を比較して検討した。 2元Co-Mo合金を電析する最適溶液は、pHが5以上でモリブデン酸濃度が5g/l以上であった。この条件ではアモルファス合金が生じ、水素発生に最高の活性を示した。コバルトおよび低モリブデン合金は、Tafel勾配が145mV/decadeであって、律速段階がプロトンの放電であることを示していた。十分なモリブデンを含む合金は、プロトンの放電が迅速になったため、本来早い反応であった二つの吸着水素原子の結合による脱離が律速段階となって、36mV/decadeのTafel勾配を示した。しかし、電解を中断し、電解液である高温濃アルカリ中に放置すると、モリブデンがモリブデン酸イオンとして溶け出すため、Co-Mo2元合金のままでは、十分な耐久性が得られなかった。 耐久性を改善するため炭素を添加したCo-Mo-C合金では、水素発生の活性はさらに上がり、これまで知られる電極の中で最高の活性を示し、また、高温濃アルカリ中に放置しても、モリブデンの溶解を抑制できることが判明した。 これらの研究は、Salt Lakeで開催されたElectrochemical Societyで発表し、またJ. of Electrochemical Societyに投稿中である。
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