2003 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル二酸化炭素リサイクルのための海水電解用カソード
Project/Area Number |
02F00714
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
橋本 功二 東北工業大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PIOTR R. Zabinski 東北工業大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 海水電解 / 水素製造 / 高活性カソード / 鉄の効果 / 炭素の効果 / Co-Ni-Fe-C合金 / めっき / グローバル二酸化炭素リサイクル |
Research Abstract |
めっき法を用いてCo-Ni-FeおよびCo-Ni-Fe_C合金を中心に種々の合金電極を作製し、海水電解の陰極環境を想定して、90℃の8M NaOHという高温濃アルカリ中における水素発生に対する活性を電気化学的測定によって比較した。また、電解中断時の高温濃アルカリへの浸漬による鉄の溶解に基づく電極の劣化が、炭素の添加によって如何に防止できるかを調べた。さらに、これら合金の構造をX線回折で調べ、合金中の元素の電子状態をX線光電子分光法で調べた。 めっき法で作製したCo-Ni合金はfcc構造であって、いずれもコバルトあるいはニッケル単体と変わらない低い水素発生能を示し、水素発生反応の律速段階はプロトンの放電であった。これに対し、Co-Ni-Fe合金の鉄含量が増して47at%に達すると、bcc構造に変わり、著しく高い水素発生能を示す。多量の鉄の添加によってプロトンの放電が著しく速くなり、本来速かった電極に吸着した二つの水素原子の結合による脱離が律速段階に変わるためであることが判明した。しかし、高活性なCo-Ni-Fe合金も、電解を停止して90℃の8M NaOHに浸漬を続けると、鉄が溶解してしまい高活性は維持できなかった。自然浸漬による鉄の溶解を防止するため炭素を添加してCo-Ni-Fe-C合金を作製し、鉄の溶解を遅らせることはできたが、完全に防止することはできなかった。 これに対し、鉄含量30at%未満のCo-Ni-Fe合金はfcc構造であって、水素発生に対する活性はさほど高くない。ところが、この合金系に炭素を添加したfcc構造のCo-Ni-Fe-C合金は、水素発生に対し、これまでに知られている最高活性の合金と同様に高い活性を示し、また電解を停止して90℃の8M NaOHに浸漬を続けても、鉄の溶出がほとんど起こらず、水素発生に対し、高い活性を維持し続けることが見いだされた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] P.R.Zabinski, H.Nemoto, S.Meguro, K.Asami, K.Hashimoto: "Electrodeposited Co-Mo-C Cathodes for Hydrogen Evolution in a Hot Concentrated NaOH Solution"J.Electrochemical Society. 150[10]. C717-C722 (2003)
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[Publications] Piotr R., Zabinski, Shinsaku Meguro, Katsuhiko Asami, Koji Hashimoto: "Electrodeposited Co-Fe and Co-Fe-C alloys for hydrogen evolution in a hot 8 M NaOH solution"Materials Transactions. 44[11]. 2350-2355 (2003)