2002 Fiscal Year Annual Research Report
内モンゴルにおける環境保全と草原の持続的発展に関する研究
Project/Area Number |
02F00721
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
中尾 正義 総合地球環境学研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HARROLD Timothy Ives 総合地球環境学研究所, 研究部, 外国人特別研究員
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Keywords | 地球温暖化 / 降水量 / 確率分布 / 洪水 / 渇水 / 極値 |
Research Abstract |
11月に来日した後、すぐに、研究体制を整え、日本での研究環境、計算機環境に順応した後、ただちに研究に着手した。まず、博士論文で開発した過去の日降水量データの確率過程的特徴を再現できるモデルを世界中のいくつかの地点に対して適用するため、イギリス、オーストラリア、アメリカ、ドイツ、オランダ等各国の研究者に対して共同研究提案をするため、これまでの研究とりまとめを行い、研究プロポーザルを作成して当該分野において積極的に研究を推進しているグループに送付し、意見交換を行った。基本的にはいずれの機関も本研究プロジェクトに興味を持ってくれ、2003年4月にニースで行われるEGS/AGU/EGU合同大会の際に直接会って話してどのような共同研究が可能かを検討することとなった。当該モデルでは、季節内変動、季節変動、年々変動など長期の確率過程的特徴も表現できる長所を持ち、様々な気候条件下での適用可能性を探れる様に共同研究を実施することは極めて有意義であると考えられる。一方、地球温暖化時における降水量の変動に関して、オーストラリア気象研究所との共同研究によりその気候モデルの予測値に基づき、頻度分布の確率密度関数の変化を比で表現し、気候モデルの降雨推定にはバイアスがあるものの、この比はロバストな情報で定量的に利用可能であると仮定し、これを観測頻度分布に対して適用して将来の確率密度分布を推定し、降雨の極値や平均値、あるいは流出モデルを通じて洪水や渇水頻度の変化を推定できるフレームワークを新たに開発した。このアイディアに基づいた予備的結果をいくつかの機関でセミナーとしてプレゼンテーションを行い、検証の重要性や、空間スケーリングとしてみたときの他の手法との優劣の評価が必要である、などの助言を得、今後の研究に生かすこととなった。
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