2002 Fiscal Year Annual Research Report
Belle実験でのB中間子崩壊におけるCP対称性の破れの研究
Project/Area Number |
02F00723
|
Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
高崎 史彦 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HASTINGS Nicholas 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 外国人特別研究員
|
Keywords | B中間子 / 小林・益川行列要素 / B中間子混合 |
Research Abstract |
現在、高エネルギー加速器研究機構においてはB-ファクトリー加速器(KEKB)、とBelle実験装置が順調に稼動し、このタイプの電子・陽電子ビーム衝突型加速器としては世界最高の性能を実現している。これに伴い、Belle実験はこれまでに最大のB中間子崩壊のデータを収集した。現在、このデータの解析を精力的に行い、多くの学術論文として発表してきた。 B中間子の性質のうち奇妙な性質は、B中間子がその反粒子である反B中間子と混合を起こすことである。この現象は、1987年に発見され、大きな衝撃であったが、小林・益川理論はK中間子の場合と同じく、この現象を説明することができ、小林・益川理論の検証のひとつになっている。しかし、近年、標準理論を越えるような理論、例えば、超対称性理論、などの必要性が指摘され、従来の観測を一段と高い制度で観測し、標準理論と観測結果の詳細な検討が求められている。Hastings氏はB中間子崩壊のうち、レプトンを含む崩壊反応を詳細に測定し、これをB中間子に起因した事象と、反B中間子に起因した事象を崩壊時間の関数として分類し、・中間子と反・中間子の混合の大きさの測定を開始した。Hastings氏はこの解析グループの中で中核的存在であり、これからの解析結果が期待される。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] K.Abe, et al.(Belle Collaboration): "Study of Time-Dependent CP-Violating Asymmetries in b -> s qbar q Decays"Physical Review D. 67. 031102 (2003)
-
[Publications] N.Gabyshev et al.(Belle Collaboration): "Observation of B0bar->Lambda_c+pbar decay"Physical Review Letters. 90. 121802 (2003)