2002 Fiscal Year Annual Research Report
微小スケールの栄養不均一分布に呼応した海洋性遊泳細菌の代謝と挙動
Project/Area Number |
02F00727
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木暮 一啓 東京大学, 海洋研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BARBARA Gregory Matthew 東京大学, 海洋研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 海洋細菌 / 遊泳運動 / 発光細菌 / 遊泳速度 / 共生 / 走化性 |
Research Abstract |
海洋細菌の多くはべん毛を持ち、走化性を有する。すなわち、特定の化学物質の濃度勾配を察知し、そちらに寄っていくことができる。海洋の有機物の供給は時空間的に不均一分布してしているので、細菌の分布もそれに呼応して不均一になっていると予想される。本研究の最終的な目的は細菌の不均一分布の実態を明らかにするとともに、その形成メカニズムを有機物の不均一分布、細菌の遊泳能力の両面から明らかにすることである。 この不均一分布はいくつかの要因に左右される。第一に形成される有機物濃度勾配の質と大きさ、第二にその周囲の細菌の群集組成、第三に細菌の遊泳速度、走化性の能力、である。11月に日本に到着して以来、これらの個々のテーマの解明のために必要な技術的、実験的な準備を行ってきた。 主な実績は以下の通りである。 (1)東大海洋研究所、研究船白鳳丸のKH-02-3次航海の際、スール海、西部太平洋域から得られた細菌分離株を整理し、系統分類学的な検討を開始した。 (2)発光細菌のPhotobacterium leiognathiについて、発光能の強さと遊泳運動速度を調べた。この種は海洋動物に共生しており、その共生の開始プロセスに走化性、遊泳運動がどのように関わっているかについて、検討を開始した。
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