2002 Fiscal Year Annual Research Report
幼若ホルモンで発現される遺伝子の分子生物学、特にオオシロアリの兵隊分化と関連させて
Project/Area Number |
02F00742
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 忠夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CORNETTE RICHARD 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | シロアリ / 多型カースト / ディファレンシャルディスプレイ法 / mRNA / cDNA / 幼若ホルモン類似体 |
Research Abstract |
真社会性昆虫のシロアリは、コロニー内に多型カーストを生じるがその機構についてはわかっていないことが多い。本研究では、屋久島産のオオシロアリ及び川西市産のネバダオオシロアリを用いて、兵蟻分化を幼若ホルモン類似体(JHA)で誘導し、その際の遺伝子発現をディフェレンシャルディズプレイ法(DD法)で解析した。擬職蟻から兵蟻への分化は、70%の効率で誘導することに成功した。また、DD法でJHA処理直後(1h)から一週間後の間に発現が特異的に変化するmRNAを28個同定したが、これは総ての転写産物のわずか1%以下に相当するものであった。その中には24時間後に発現が停止するものが最も多く、一番早い発現の差異は6時間後に見られた。得られた特異的なcDNAをシークエンシングし、既知の配列との相同性を現在確認しつつある。 なお、本年度は、7月28日-8月3日に札幌で開催された国際社会性昆虫学会議へ出席・発表を行った。発表テーマはマデイラゴキブリにおける体表タンパク質の特性研究に関してである。11月15/16日に神戸で開催された日本学術振興会未来開拓学術研究推進事業の「昆虫特異機能の解明と開発」公開シンポジウムにも研究連絡のため出席した。11月1/2日には川西市にネバダオオシロアリの採集調査のため出張を行った。1月27-30日に沖縄県那覇市へ発、大学院生3人とともに社会性昆虫類の採集調査のため出張した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] CORNETTE, R: "MOLECULAR CHARACTERIZATION OF Lma-p54, A NEW EPICUTICULAR SURFACE PROTEIN IN THE COCKROACH LEUCOPHAEA MEDERAE (DICTYOPTERA, OXYHALOINAE)"INSECT BIOCHEMISTRY AND MOLECULAR BIOLOGY. 32. 1635-1642 (2002)