2002 Fiscal Year Annual Research Report
モバイルエージェントシステム及びコンポーネントの自己反映計算に関する研究
Project/Area Number |
02F00748
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米澤 明憲 東京大学, 大学院・情報学環, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PESCHANSKI Frederic 東京大学, 大学院・情報学環, 外国人特別研究員
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Keywords | 動的分散言語 / 非同期通信 / コンポーネント / モバイルエージェント / Scope言語 / Cometランタイムシステム / マルチキャスト |
Research Abstract |
以下のような特徴を持つ動的分散言語ScopeとそのランタイムシステムCometを用いて動的分散システムの研究を行っている。 -Scope言語:非同期マルチキャスト通信を行うコンポーネントモデルを元にした動的分散言語 -Cometミドルウェァ:Scope言語によって作成されたコンポーネントを分散環境で動作させるシステム 本年度の主要な成果を以下に挙げる。 1.Cometミドルウェアの実装を安定させ、性能評価をすること:最近、非常に大きな性能向上を実現できた。予備実験により、我々のCometのほうが、分散計算の事実上の標準であるJava, RMIよりも30%から50%程度高速であった。また形式的な設計方法を用いて実装を安定させてきた。 2.アプリケーション:我々はCometアプリケーション向けに汎用的で適応性のあるプロトコルを設計し実装し、Cometミドルウェアが、分散システムの動的な性質に対応するのに足る表現力と実行性能を持っていることを示した。 また現在は以下の研究を行っている。 1.プロセス代数に基づいてScope言語の簡潔な操作的意味論を定義すること 定義にあたっては、定理証明器を用い、操作的意味論を公理として記述する。これにより、Scope言語で書かれたプログラムの満たす性質(命題)をその定理証明器を用いて自動的に証明することが可能となる。これは操作的意味論を定義する上で強力な形式的基盤となる。 2.現在実装されているマイグレーションシステムを拡張すること 本研究が他の既存のマイグレーションの研究と異なる点は、Cometではコンポーネントが他の主体によって移動を制御される点にある。これを実現するためには操作的意味論、実装ともに拡張する。
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