2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00751
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
戸部 博 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LUNDBERG Johannes 京都大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | キク目 / ロウセア科 / エスカロニア科 / ポリオスマ属 / 発生学 / 被子植物 / アブロフィルム属 / カルボデツス属 |
Research Abstract |
1.研究代表者戸部は、共同研究者ルンドベルグとともに、以下のような研究を行った。 2.キク目12科(2003年の分類システムによる)のうち、生殖構造の発生学的研究が終わっていないロウセア科4属(ロウセア属、アブロフィルム属、カルボデツス属、クッチア属)について、前年度に引き続き、雌雄生殖器官(雄花と雌花、種子)の発生学的特徴を研究した。そのために、ミクロトームによる連続切片(パラフィン切片、テクノビット樹脂による切片)を作成技術を更に向上させ、それらの切片を顕微鏡によって観察した。その結果、腺型のタペート細胞、倒生胚珠、薄層珠心、1細胞性の胚珠内始原細胞組織、タデ型胚のう形成、細胞型内乳形成、などの特徴を持つことが明らかになり、更に、ターミナル・ハーストリウムを持つことも明らかになった。これらの特徴の組合せは、キク目のユガミウチワ科やキキョウ科とも共通しており、キク目原始群の特徴であることが明らかになった。特に、ターミナル・ハーストリウムを持たない、キク目の進化した群(キク科、カリケラ科、ミツガシワ科など)と対照的である。 3.キク目との比較に欠かすことのできないエスカロニア科についても、前年度と同様研究を進め、種皮表層のユニークな細胞の他には特徴の無いことが分かり、その一方、花被基部の合着程度も種によって異なるなど属内変異があることも明らかになってきた。 4.変異をルンドベルグは、インドネシア・ロンボク島へ国外採集に出かけ、キク目との比較対照に欠かすことの出来ないポリオスマ属を採集し、これについても発生学的研究を取り組み始めた。 5.以上のように、キク目を中心とした被子植物の発生学的研究が着実にすすんでおり、その成果をまとめて論文として発表する予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Lundberg, J., Bremer, K.: "A phylogenetic study of the order Asterales using one moprhological and their molecular data sets."International Journal of Plant Sciences. 164.4. 553-578 (2003)