2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00761
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 昌 京都大学, 農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FREIHERR Harald Von Canstein 京都大学, 農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | アゾ色素 / 脱色 / 嫌気分解 / Shewanella / redox-mediator / ラッカーゼ / ペルオキシダーゼ / 排水処理 |
Research Abstract |
微生物機能を用いて環境汚染物質を分解するシステムの構築を試みた。汚染物質としては複雑な芳香族骨格を有する人工色素を対象とした。また、多くの排水処理がアルカリ条件下で行われていることに着目し、排水処理に有効な酵素ラッカーゼ、ペルオキシダーゼに関して、アルカリ条件下で安定かつ活性な酵素の探索を行った。 染色廃液の脱色を目的とし、アゾ系色素に対して脱色活性を示す菌株を染色工場排液から分離し、嫌気的条件下にてアゾ系色素に対して幅広い脱色活性を示す細菌を得た。この細菌の16S rDNAの部分配列を解読し同定を試みた結果、Shewanella sp.であることが判明した。本菌は嫌気条件下にて特異的に脱色活性を発揮し、その活性は本菌自身の生産するある種のredox-mediatorにより増強されることが見いだされた。このredox-mediatorの単離・同定を試み、現在のところ、分子量376のキノン化合物であることを支持する結果を得ている。 アルカリ条件下にて機能するラッカーゼに関しては、Myrothecium verrucaria 24G-4の培養液上清にアルカリ領域に至適反応pHを有する新規ラッカーゼを見いだし、諸性質を解明した。ビリルビンオキシダーゼと構造上の類似点を示したが、フェノール性基質に高い活性を示すこと、アルカリ領域でメディエーターによる活性化を受けるなど、異なる機能性を示した。 アルカリ条件下にて機能するペルオキシダーゼに関しては、Bacillus sp.No.13の培養液上清にアルカリ領域でペルオキシダーゼ様活性を示すシトクロームcおよびカタラーゼ-ペルオキシダーゼを見いだし、諸性質を解明した。本シトクロームcは、他起源由来のシトクロームcより約50倍高いペルオキシダーゼ活性を示した。また、シトクロームcおよびカタラーゼ-ペルオキシダーゼともに、アルカリ領域で安定かつ高活性を示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] W.T.Sulistyaningdyah et al.: "Characterization of alkaliphilic laccase activity in the culture supernatant of Myrothecium verrucaria 24G-4 in comparison with bilirubin oxidase"FEMS Microbiol.Lett.. 230(2). 209-214 (2004)
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[Publications] J.Ogawa et al.: "Two extracellular proteins with alkaline peroxidase activity, a novel cytochrome c and a catalase-peroxidase, from Bacillus sp.No.13"Biochim.Biophys.Acta. (in press). (2004)