2002 Fiscal Year Annual Research Report
酸化的DNA損傷、8-ヒドロキシグアニンに関する生化学的および臨床医学的研究
Project/Area Number |
02F00768
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
葛西 宏 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SVOBODA Peter 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | ヒト尿 / 8-OH-dG / 酸化的DNA損傷 |
Research Abstract |
本研究はヒト尿などの生体試料について8-OH-dGを測定し、どのような環境因子が酸化的DNA損傷を高めるのか、またどのようなライフスタイルが酸化的DNA損傷を低下させるのかについて明らかにすることを目的とする。これらの基礎データの蓄積により個人個人の活性酸素関連疾患の予測、あるいは予防が可能になるであろう。尿中8-OH-dGを分析する方法として市販の8-OH-dGに対するモノクロナル抗体を用いたELISA法とHPLC-ECD法があるが、以前の研究からELISA値の方が約2倍高く、また概してELISA法は再現性に乏しく、一つのサンプルを相当な回数測定し統計処理しなければ信頼度は得られない事がわかった。そこで本研究ではまずヒトおよびラット尿のHPLC-ECD法による分析条件を再検討した。その結果いずれも再現性よく測定できるようになった。またこれまでヒトの喫煙、食生活、ストレス等と尿中8-OH-dGとの関係が調べられていたので、今回ラットを用いて、抗酸化物質ルチン投与の影響、また拘束ストレスの影響を調べた。その結果いずれもコントロール群と有意差がなかった。本研究からヒト活性酸素関連疾患の原因を解明するためには、まずは厳密な測定によりデータを集めることが重要であることがわかった。
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