2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00774
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡本 佳男 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YUAN Liming 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 光学分割 / 多糖誘導体 / シクロデキストリン / 高速液体クロマトグラフィー / キラル固定相 / キラル分離剤 |
Research Abstract |
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による光学分割は、化学、医・薬学など、光学活性化合物を取り扱う分野において欠くことの出来ない分離・分析法であり、これまでに様々なキラル固定相が開発されてきている。その中でも、セルロースやアミロースなどの多糖誘導体は広範囲のラセミ体に対して高い光学分割能を示すことから、広く様々な分野で用いられている。本研究は、これらすでに市販もされ高い光学分割能を示すキラルカラムのさらなる有用性を見いだすために、HPLCで使用する際に、溶離液にもう一つのキラル化合物を添加して、そのカラムの光学分割能がどのように変化するか検討することを目的としている。本年度は、キラル添加剤として、ヘプタキス(2,3.6-トリ-o-メチル)-β-シクロデキストリン(TM-β-CD)を用いた。シクロデキストリンにヨードメタンを反応させて得られたTM-β-CDをヘキサン/2-プロパノール(9/1)の溶液に加えて1mmol/L、10mmol/Lの溶液を調製し、これを溶離液としてセルロースの3,5-ジメチルフェニルカルバメート誘導体のカラム(Chiralcel OD)で光学分割を行った。その結果、10mmol/Lの溶液を用いることで光学分割の結果に影響がみられたが、分析を行ったラセミ体のほんとんどについて、分離係数値は低下し、効果的にChiralcel ODの光学分割能を上昇させることはできなかった。しかし、光学分割能が添加剤を加えることで変化したという結果は、キラルカラムの能力を変えられるという点では興味深いものであると言える。
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