2003 Fiscal Year Annual Research Report
銅系触媒上でのメタノール合成および水性ガスシフト反応の理論的研究
Project/Area Number |
02F00776
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中村 潤児 筑波大学, 物質工学系, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Guichang 筑波大学, 物質工学系, 外国人特別研究員
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Keywords | 第一原理分子動力学 / 銅触媒 / 表面科学 / メタノール合成 / ギ酸 / 吸着 |
Research Abstract |
本研究は、銅系触媒上での反応メカニズムに関して、表面科学的実験研究と理論計算研究の両面からアプローチし、原子レベルでの解明を目指すものである。第一原理分子動力学法を用いて、Cu(111),Cu(110),Cu(100)モデル触喋における吸着水素と二酸化炭素分子から生成するフォーメート吸着種の構造や吸着エネルギーを決定することが具体的な目的である。Cu触媒表面におけるフォーメート吸着種は、メタノール合成反応の中間体として重要である。メタノール合成反応は銅触媒表面の構造に強く依存することが知られている。その原内としくてフォートメート中間体の安定性および反応性が表面構造によって著しく異なることが予想される。本研究では、Cu(111),Cu(110),Cu(100)表面でのフォーメートの吸着種(HCOO)の安定性を第一原理分子動力学法によって調べた。はじめに、フォーメート吸着種のオリエンテーションを求めた。bidentateおよびbridging構造さらにmonodentate構造の吸着エネルギーを計算した。これにより最安定構造を決定した。また、各々の構造に対する振動状態も決定した。表面構造によるフォーメイト種の安定性の違いを調べたところ、Cu(110)>Cu(100)>Cu(111)の順になった。この理論計算の結果と実験結果と比較するために、フォーメートの生成実験および分解実験の結果を解析した。その結果、吸着エネルギーは計算と実験で非常によい一致を示した。クラスター計算という別の理論計算のアプローチも報告されているが、この方法では実験値とは異なる。理論計算結果が実験を再現するという事実は、さらに、理論計算アプローチを表面反応過程に適用できることを意味している。
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Research Products
(1 results)