2003 Fiscal Year Annual Research Report
高CO_2濃度下での低温および紫外線(UV-B)増加への植物の反応
Project/Area Number |
02F00779
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
蔵田 憲次 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
REN Hongxu 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 低温耐性 / 低温障害 / イネ / 活性酸素 / 活性酸素消去 / SOD / サルチル酸 |
Research Abstract |
昨年度は、研究分担者の日本到着が11月末であったため、実質的に実験の準備しかできなかった。本年度は、イネの幼植物体(葉が3枚)を用いて、低温に対するイネの応答を生化学的観点から分析した。その際、近年、様々な植物へのストレスへの耐性に関して注目されているサルチル酸(以後、SA)の効果に着目した。SAは培養液に混入した。低温処理開始後1日目および7日目に生化学分析を行った。生化学分析は、低温障害の程度と、低温障害の直接の原因とされている活性酸素の消去系酵素:SOD(Superoxide dismutase), CAT(Catalase), GR(Glutamine rectase), GPX(glutathione perioxidase)に関して行った。低温感受性イネとしてアキタコマチを、低温耐性イネとしてコシヒカリを用いた。得られた結果は以下のようである。 1.両品種とも、葉での低温障害にはSA処理の有意な影響は1日目も7日目もみられなかった。しかし、根では両品種ともSA処理により低温耐性は顕著に上昇した。 2.活性酸素消去系で顕著にみられた現象は、アキタコマチの根で、SA処理によりGRの活性が7日目も対照区に比べて高い値を示していたことである。SA処理によりアキタコマチの根の低温耐性が上昇した原因は、GR活性の上昇によるものと推察される。
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