2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00780
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宮田 正 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WU Yuqing 名古屋大学, 生命農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | アブラナ科野菜 / コナガ / 殺虫剤抵抗性 / 抵抗性品種 / ワックス / 摂食行動 / 産卵 / 経済的被害許容水準 |
Research Abstract |
コナガの殺虫剤抵抗性は世界的に大きな問題となっており、1985年以来、既に4回に渡りコナガに関する国際会議が開催されていることからも、コナガの重要害虫としての位置をしることが出来る。コナガが、このように重要な害虫となった原因としては、コナガの年間発生回数が多いこと(日本で12・3回、熱帯地城では30回)、アブラナ科野菜の栽培面積の増加、耐暑性品種の導入によるアブラナ科野菜の周年栽培の発達、コナガの発育零点が10℃前後、産卵数が100〜300卵、休眠性がないこと、長距離移性の害虫であること、市販のアブラナ科野菜にコナガ抵抗性遺伝子がないことなどが考えられている。コナガの殺虫剤抵抗性問題解決のためには、コナガの殺虫剤抵抗性発達に関する研究が重要なことは言うまでもない。しかし、コナガの発生密度を経済的被害許容水準以下に抑えるということも、殺虫剤抵抗性問題を解決する上で重要と考えられた。そこで、コナガに対するアブラナ科野菜の抵抗性に関する研究が重要と考え、本研究を開始した。先ずアブラナ科野菜の発育ステージを前、中、後期の3段階に分け、それぞれのステージのアブラナ科野菜をケージ中で栽培し、大量の成虫を放飼し、産卵、孵化幼虫の摂食行動を観察中である。供試するコナガとしては、殺虫剤感受性の他、殺虫剤抵抗性系統の2系統を用いて実験中である。また、市場に出まわっている品種には、コナガに対する抵抗性遺伝子をもったものはないといわれている。しかし、市場に出まわっている品種にはワックスに富んだものとワックスレスの品種があることが知られており、ワックスの大小によるコナガの摂食、加害、発育等に及ぼす影響についても検討すべく、予備的な検討を始めている。
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