2003 Fiscal Year Annual Research Report
気泡流の微細構造,気泡力学,キャビテーション及び気泡乱流に関する研究
Project/Area Number |
02F00783
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 洋一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GONG Xiaobo 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 気泡プルーム / オゾン化 / 数値解析 / Eular-Lagrangeモデル / 物質移動 / 混相流 |
Research Abstract |
微細気泡群は体積当りの表面積が大きく浮力の影響が小さいため,反応ガスの溶解促進や浮遊物への吸着率の向上が期待されており,化学反応塔や水質浄化設備,また医療技術への応用が注目されている.これらの応用に際して用途に対する適切な微細気泡発生手法の確立や,実際のプラントに適用可能な物理モデルの構築が望まれているのが現状である.本研究は気液二相間の相互干渉を個々の気泡の挙動と界面の物質輸送を考慮した微視的視点から解明し,実際の現象に即した精緻な物理モデルの構築を行うというものであり,特に水質浄化装置への利用を応用の一つとして考慮している. 本年度はオゾン溶解システムを念頭に微細なオゾン気泡を水槽底部から発生させたときの気泡プルームに着目し,気泡プルームの流動形態の相違と界面における物質移動現象について三次元数値計算を行った.ここで気泡レイノルズ数の低い球形気泡を取り上げ,個々の気泡の追跡が可能なEular-Lagrangeモデルを適用した.気泡プルームにおける物質移動現象を表現する際,個々の気泡について界面からのオゾンガスの時間・空間的な溶解過程の変化と気泡径の変化の相互関係を支配方程式に組み込むことにより,物理現象を精緻に捉えるモデルを提案した.本研究では特に気泡の溶解には,気液界面の接触面積および接触時間が重要となると考え,直径が0.1mmから1.0mmの気泡について,また0.1m〜0.4mの深さを有す水槽にオゾン気泡を吹き込んだ場合について計算を行い,気泡の溶解効率を調べ,オゾン溶解装置に対する最適化の評価方法とその最適値について論じた. この結果,各種の工業的な応用に対して,エネルギコストおよびオゾン消費量の両面から任意の装置に対するオゾン溶解の最適化を考慮する場合,タンクサイズ及び内部流動現象,さらに発生気泡径といった各システムに依存した最適値が存在することが確認でき,これらを考慮した上でのシステムの運用が重要となることを証明した.また本計算手法はこれを有効に示すことが可能な計算手法であることを確認した.
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