2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00787
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 俊明 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHU Ping 東京大学, 大学院・理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | NEXAFS / 多重散乱理論 / アセチレン / エチレン / NO / Pt(111) |
Research Abstract |
1.単純な炭化水素化合物のX線吸収端近傍微細構造(NEXAFS)スペクトルにおけるC-H共鳴の新しい見方 C_2H_2,C_2H_4,C_2H_6のNEXAFSスペクトルは実験と理論計算の両面から幅広く研究が行われているが,その帰属や解釈についてはまだ未解決の問題が残されている。そのひとつがσ^*(C-H)共鳴のピーク位置に関するものである。自ら開発した多重散乱クラスター法を用いてこれら分子のNEXAFSの理論計算を行った。その結果,σ^*(C-H)共鳴のピーク位置は以前に帰属されたものよりも高いエネルギーに現れること,C_2H_4では2つのσ^*(C-H)共鳴が現れること,その軌道対称性は分子面内にあること,C_2H_6のσ^*(C-H)共鳴はσ^*(C-C)共鳴と重なっていることが明らかになった。 2.NO/Pt(111)吸着系のNEXAFS 標記の系でNEXAFS実験を行い,その結果の解釈するために多重散乱理論計算を行った。この系は温度によって吸着構造が複雑に変わり,様々な方法でその構造解析が行われているが,未だに議論の的になっている。多重散乱クラスター法を用い,吸着構造をパラメーターにしてさまざまな構造モデルで計算を行ってスペクトルの再現性を調べた。そして,NO分子の吸着構造が基板温度によってどのように変わるかを明らかにした。また,NEXAFSスペクトルが吸着構造によってどのように変化するかについて分光学的な立場から有用な情報を得た。これらの結果成果をまとめ,現在Surface Science誌に投稿中である。
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Research Products
(1 results)