2002 Fiscal Year Annual Research Report
高温極限環境から地下圏への分子微生物生態学的アプローチ
Project/Area Number |
02F00791
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
加藤 憲二 静岡大学, 理学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WELIKALA Nihal 静岡大学, 理学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 地下圏 / 掘削コア / 微生物フロラ / PCR / DNA解析 / 還元環境 / 妨害物質 / 潜在的活性 |
Research Abstract |
私どもの研究室では、深海底の熱水噴出孔周辺における化学合成細菌の生態研究から、細菌とそのエネルギー源の供給元となる地下圏における微生物生態の解明に取り組んでいる。本研究はこれと平行して、掘削によって得られた堆積物中の微生物の解析から、直接地下圏ヘアクセスする研究である。 平成14年は、茨城県潮来市の茨城大学センター内で新たな掘削によって得られたコア試料を対象に、コア試料からPCR法によって遺伝子を抽出し、微生物相を解析することを試みている。試料は還元物質を大量に含み、これが取り扱い過程で酸化することにより、PCRが妨害されるという大きな困難にぶつかっているが、方法を改良し、データの取得に成功しつつある。実験内容を以下に抜粋する。 DNAの抽出と増幅 地質堆積物資料からのDNAの抽出はUltra Clean Soil DNA Isolation kitを用いて行った。得られたDNAを用いてPCR増幅を試みたが、PCRに供するに十分なDNA量(ng〜μg)を用いたのにもかかわらず、PCR産物を得ることできなかった。泥からのDNA抽出の際に同時に抽出されたフミン酸や鉄といった阻害物質によって引き起こされたものであると思われる。 そこで、超遠心技術とメーカーによって与えられたスピンフィルターを用いて洗浄と溶出を行ったところ、DNAの純度が向上した。 PCR PCR条件の最適化を進めた。プライマーにはdomain Bacteriaの16SrDNAを標的としたユニバーサルプライマーを用いた。PCR法によって目標のDNAの配列が増幅されているかを確認した。3つの泥試料から抽出したDNAを用いたPCRの結果、およそ200bpの位置に強い蛍光を持つ特異的な3つのバンドを確認した。これらの3つのバンドはDGGE法による解析に用いるのに十分に特異的であった。
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Research Products
(1 results)