2002 Fiscal Year Annual Research Report
地球のコア-マントル境界における化学反応と変形に関する研究
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02F00800
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八木 健彦 東京大学, 物性研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MERKEL Sebastien 東京大学, 物性研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 高圧 / 差応力 / 弾性常数 / ペロフスカイト |
Research Abstract |
本年度は、地球深部環境における鉱物の粘弾性的性質を明らかにする研究の準備と予備的な実験を行った。具体的な実験方法としては、ダイヤモンドアンビル装置を用いて粉末試料を圧媒体を用いずに圧縮し、加圧軸とは直角方向から細く絞ったX線を照射して、得られたデバイリングの形状を詳細に解析することにより、一軸応力場に置かれた試料の差応力状態や弾性常数を明らかにしようとするものである。この研究は、基本的には研究代表者が今まで行ってきた研究の延長上に位置するものであるが、本研究では温度を室温だけでなく、レーザー加熱と組み合わせて高温にしたり、今まで行われていない斜方晶ペロフスカイト試料まで拡張することで、より現実の地球深部に対応した議論を可能にしようとするものである。 その目的のためにまず、解析を行うコンピューターやソフトウェアを購入した。また実験としては、八木研究室のダイヤモンドアンビル装置を用い、無定型ボロンを使って横からX線が入射できるガスケットの開発を行った。それらを用いて筑波のフォトンファクトリーにおいて予備的な実験を行った。またアメリカ・シカゴのAdvanced Photon Source(APS)でカーネギーグループと共同でマシンタイムが配分されたので、そこにも装置を持ち込んで予備的な実験を行った。これらの予備実験の結果から、現有のダイヤモンドアンビル装置をこの研究に用いる際の問題点等が明らかになったので、現在これらの装置をどのように改良していくか検討を進めている。また得られたデータの解析方法についても、改良を進めている。
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