2003 Fiscal Year Annual Research Report
地球のコア-マントル境界における化学反応と変形に関する研究
Project/Area Number |
02F00800
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八木 健彦 東京大学, 物性研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MERKEL Sebastien 東京大学, 物性研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 高圧X線 / 一軸応力 / 下部マントル / コア / ペロフスカイト |
Research Abstract |
本研究では、コアーマントル境界領域における構成物質の粘弾性的性質を解明することを目的として、一軸応力場におけるX線回折実験を行った。 まず最初に、X線の透過能が高くかつ機械的強度も大きい物質で、高圧実験のガスケットとして使える材料やその加工法を探索した。その結果、高純度ボロンとエポキシ樹脂、およびカプトンシートの組み合わせにより、少なくとも65GPaまでの超高圧下まで安定して高圧が発生可能で、X線のバックグラウンドも充分低い試料構成の開発に成功した。さらにそれを安定して用いることができるダイヤモンドアンビルを設計・製作し、フォトンファクトリーおよびSPring-8の両放射光実験施設で実験を行った。 今までにデータをとることができた試料は、鉄と同じ結晶構造を持つコバルト、下部マントルの構成鉱物の一つと考えられるCaSiO_3ペロフスカイト、3価の鉄からなるFe_2O_3、圧力標準物質として広く用いられているAu、および下部マントル鉱物の一つであるSiO_2スティショバイト、である。これらの物質について室温で65GPa程度までの圧力下でさまざまなデータをとることができ、現在それらの結果を精力的に解析中である。その予備的結果は、高圧討論会を始めいくつかの学会で口頭発表した。
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