2003 Fiscal Year Annual Research Report
自己集積型表面改質法に基づく次世代バイオナノデバイスの創製
Project/Area Number |
02F00804
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
馬場 嘉信 徳島大学, 薬学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MOINEAU Johanne Roland 徳島大学, 薬学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 自己組織化 / バイオチップ / DNA / タンパク質 |
Research Abstract |
将来の医療応用を目指して、次世代バイオナノデバイスを創製するためには、ナノ空間における界面上でのDNAやタンパク質の相互作用を詳細に調べ、これらの情報に基づいて、界面の表面改質を行うことが重要である。本研究では、この目的を達成するために、自己集積型の表面改質法を用いたバイオナノデバイスに関する研究を進めた。まず、シリコンウェファーの表面を酸化した。この際に、表面のナノメーターサイズの平坦さを保つために、条件の検討を行い、最適な酸化条件を確立した。酸化したシリコンウェファー表面の表面改質を行うために、種々の単官能性有機シラン化合物を合成し、表面改質を行った。その際に、反応条件を種々検討し、最適な反応条件を確立した。また、三官能性有機シランを合成した。その際に、炭素数6以上のアルキル基をもつものを合成し、表面改質を行うことにより、アルキル基が密に自己組織化したナノコーティングを実現できることを明らかにした。しかし、炭素数の少ないアルキル基を持つ化合物の場合は、不均質な表面改質しか実現できなかった。さらに、トリアルコキシシラン化合物の場合も、側鎖の長さが長くなるに従って均質な表面改質が可能になることを明らかにした。以上の基礎的検討に基づき、バイオナノバイオデバイスに最適な表面改質法の開発を進め、ナノ空間を自由に制御できる反応系の確立を進めた。さらに、表面改質した表面をAFMおよびエリピソメトリーなどを用いてキャラクタライゼーションを進め、今回開発した表面改質技術が、DNAやタンパク質のバイオデバイスに適していることを明らかにした。また、自己組織化した単層の表面改質膜とDNAおよびタンパク質をコンジュゲートするための官能基設計と開発を行った。これらの研究成果は、次世代バイオナノデバイスを創製する上で必要不可欠のものである。
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Research Products
(1 results)