2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F00819
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
井上 克也 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SURESH Eringathodi 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | キラル分子磁性体 / 分子磁性体 / 遷移金属錯体 / 不斉磁性 |
Research Abstract |
不斉磁性体の一般磁性体に対する最大の特徴は、磁気構造が不斉な空間群に属することである。我々はこれまでに、有機ラジカルとマンガンイオンを含む一次元磁性体、マンガン2価イオンとクロム3価イオンをシアノ架橋した、2次元、3次元磁性体の構築に成功している。これらの磁性体は、不斉磁性体の特徴を示すものの、その効果は、含まれる有機ラジカルスピンや遷移金属イオンのスピンのスピンー軌道相互作用が小さいため大きくなかった。より大きな不斉磁気構造を得るためには、スピンー軌道相互作用の大きな金属イオンを用いるのが得策である。今回、より大きなスピンー軌道相互作用を有する遷移金属イオンであるコバルト2価または3価、鉄2価または3価イオンを含むシアノ架橋錯体の合成を試みた。まず、コバルト2価または鉄2価イオンにキラル配位子である、(S)または(R)1,3-ジアミノプロパン、(S)または(R)アラニン、(S)または(R)アミノアラニン、(S)または(R)フェニルアラニン、(S)または(R)バリン、(S)または(R)バラナミドまたは(S)または(R)アラナミドを配位させ、ヘキサシアノコバルト(III)またはヘキサシアノ鉄(III)と水中、水-メタノール混合溶媒、水-エタノール混合溶媒または水-DMF混合溶媒中で反応させた。その結果様々な粉末が得られたが、結晶は今のところ得られていない。現在得られた粉末について、元素分析、粉末X線回折、磁気測定を行い構造に関する知見を収集中である。
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