2002 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟指によるロボットマニピュレーションと文字手書きにおける人体補助具への応用
Project/Area Number |
02F00823
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
平井 慎一 立命館大学, 理工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VAZ J. A. 立命館大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 柔軟指 / 文字手書き / 補助具 / ボンドグラフ / モデリング / 動特性 / シミュレーション / 接触 |
Research Abstract |
2002年11月から2003年3月までは,文字手書きの補助具の基本設計を行なうこと,補助具の動特性をボンドグラフによりモデリングすること,ならびに,補助具のプロトタイプを試作することを行なった.文字手書きの補助具の基本設計においては,指を失った人を対象とし,失った指の部分に人工的な指を取り付け,残された指に駆動部を装着することで,人の残された機能を用いて,失った機能を回復する構成を提案した.さらに,物体を安定に操作するために,柔らかい指先を装着すること構成とした.次に,基本設計を基に,補助具システムのボンドグラフを導き,補助具システムの動特性をモデリングした.ボンドグラフによるモデリングでは,システムの要素ごとにモデルを導き,最後にそれらを合成すればよい.指機構はリンク機構としてモデルを導いた.駆動指と人工的な指の間で力の伝達機構が必要になるので,伝達機構としてワイヤ機構と流体伝達を想定し,ボンドグラフを導いた.さらに,人との力の伝達をモデリシグし,補助具システムの動特性のシミュレーションを行なった.シミュレーションは,購入したPC上のMATLABで行なった.その結果,文字書きが可能なレベルの動特性を有していることが確認できた.そこで,ワイヤ機構を用いた補助具のプロトタイプを試作した.ワイヤを二重に張ることで指の剛性を高め,安定な物体把持と物体操作が可能であることを確認した.ただし,リンク部分の動作範囲のため,人の指の動きが制約されることが判明した.人工的な指の部分と駆動部が分離された補助具を提案すること,接触を伴う文字手書きそのものの動特性をボンドグラフによりモデリングすることが課題である.なお,期間が5ヶ月と短く,今年度は発表には至っていないが,2003年4月から2003年10月までの期間で,国際学会での発表を行なう予定である.
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