2003 Fiscal Year Annual Research Report
事前の情報提供に基づく同意制度-遺伝資源の取得と利益配分のための基本要素-
Project/Area Number |
02F00830
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
磯崎 博司 岩手大学, 人文社会科学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HIRAKURI Sofia 岩手大学, 人文社会科学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 遺伝資源 / アクセス / 利益配分 / ボンガイドライン / PIC |
Research Abstract |
本研究は、生物多様性条約の下で求められているPIC手続きの具体化のための制度要件を明らかにすることを目的としている。それに向けて、今年度は、ボンガイドラインおよびその他の関連する国際法および国内法について最新の動向を把握するとともに、環境条約の実施確保状況について検証した。また、この分野に関わる研究者に聞き取り調査を行うとともに、関連する国内外の研究会合に参加して論議した。 法令に関する資料および会議動向は、インターネットを通じて入手するとともに、2003年7月に釧路で開かれたラムサール条約に関する国際ワークショップおよび2004年1月のフランスにおける実地調査とヒアリングによって入手した。また、本研究以外の目的で参加した会議の場も活用した。たとえば、ボンガイドラインと国内法令との関係については、2003年9月に国連大学において開かれた生物遺伝資源に関する国際会議に研究代表者および研究分担者ともに出席し、報告するとともに論議に参加した。また、国連大学高等研究所およびブラジル政府により2003年10月にブラジルで開かれた「パンタナール湿地管理ワークショップ」には、研究分担者が本研究以外の経費で参加を要請されたが、その場を用いて資料を収集するとともに、各国および各機関からの専門家と論議を深めた。 また、主要環境条約および主要国際機関によって運営されているミレニアム・エコシステム・アセスメントのうち、法制度に関するセクションおよび生物多様性に関するセクションについて協力を要請され、研究代表者と研究分担者との共同作業によって遺伝資源に関する制度を含めて報告書原案を提出した。 なお、国内レベルでも、関連省庁、産業界および関連研究者への聞き取り調査などを行った。 以上に加えて、研究分担者は、ワシントン大学における博士論文に基づいて、データの差し替えと最近の動向を反映させる作業を行い、「法は森林を救えるか」という英文の報告書を2003年7月にCIFOR(国際林業調査センター、インドネシア)から出版した。また、8月には、国連大学高等研究所およびキルギス共和国政府の共催による国際ワークショップ「生物安全保障II:中央アジアおよびモンゴルにおける遺伝資源へのアクセスと利益配分、伝統的知識および生物安全性」の企画準備に携わるとともに、報告および論議に加わった。
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