2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F02040
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
BAL S 理化学研究所, 和光研究所, 特別研究員
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Keywords | 弦理論 / 行列模型 / 量子重力 / 素粒子の統一理論 / 非摂動効果 / 非可換幾何学 / ファジー球面 / 超対称性 |
Research Abstract |
弦理論の非摂動的な定式化と、それから得られる量子重力の基本的な性質についての研究を進めてきた。実際、10次元の超対称ゲージ理論のlarge-N reduced modelが、実は、臨界弦の構成的な定義になっていることを示し、その力学的な構造を調べてきた。この理論は、自然な形で重力子を含むなど、弦理論の非摂動的な定義にふさわしい、いろいろな良い性質を持っている一方、一般座標変換に対する不変性が見にくいなどの弱点もある。 当研究課題では、曲がった時空がIIB行列模型によってどのように記述されているか、また、それに関連して、最近DijjkgraafとVafaによって発見された超対称ゲージ理論と行列模型の関係が、IIB行列模型とどのように関係しているかの、二点を中心として考察を進めた。 第一の点については、時空が最も簡単な非可換空間である、ファジー球面あるいはファジートーラスの直積で与えられる場合について、解析的・数値的両面からの分析を行い、IIB行列模型から曲がった時空が確かに生成されうることを考察した。 第二の点については、IIB行列模型の基礎であるlarge-N reductionをsuperspace上で定式化しなおすことによって、Dijjkgraaf-Vafa理論の一見深遠な結果が、実は非可換なsuperspace上でのlarge-N reductionに他ならないこと、さらにはVeneziano-Yankielowiczポテンシャルとして知られている量が行列模型の自然な帰結として得られる事を示した。 まだ、解決すべき点も多くあるが、弦理論を構成的に定義することによって、実際の真空を定め、時空の次元をはじめ、ゲージ対称性、世代数などを説明して見せることが、そろそろ可能になってきているように思われる。
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Research Products
(2 results)