2004 Fiscal Year Annual Research Report
効率的な3次元比抵抗インヴァージョン手法の開発とその実データへの適用
Project/Area Number |
02F02053
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上嶋 誠 東京大学, 地震研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SIRIPUNVARAPORN Weerachai 東京大学, 地震研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 3次元比抵抗インヴァージョン / データスペースインヴァージョン / ネットワークMT法 / 3次元比抵抗構造 / 計算手法の開発 |
Research Abstract |
・効率的な比抵抗3次元インヴァージョンコードを開発した.3次元の状況ではデータ数に比べてモデルブロック数が格段に大きくなるため,データスペースに基いた平滑拘束条件付インヴァージョンの開発を行った.このことによって,インヴァージョン反復過程のモデル更新値を求めるための逆行列演算が著しく軽減された.ただ,sensitivity matrixを計算する過程に多大な時間を要したため,コードの並列化を行い,計算時間の短縮を図った.既知のモデルに対して観測値を計算し,それをインヴァージョンすることにより,コードの有効性を確かめた. ・開発したインヴァージョンコードは,従来のMT法データに加え,電場を長基線で測定するネットワークMT法データにも適用可能なものとした.既知の3次元構造モデルから,2次元を想定したライン上の観測値を計算し,それを2次元および3次元インヴァージョンによって構造を推定する試みを行った.その結果,従来の2次元解析では虚像を生じる可能性のあること,インピーダンステンソル対角成分を用いることによって,ラインに直交する方向の構造変化を捉えられることを示した.ライン上データの3次元解析の有効性を示したことになる. ・領域,データ数が限られた三宅島におけるネットワークMT法観測データ,および,北海道中東部で行われた大規模なネットワークMT法観測データを用いてインヴァージョンを行い,深部広域3次元構造の解明を図った.三宅島では,傾斜ステップや多量のガス放出に調和的なマグマだまりが存在していた可能性が示唆され,北海道では,沈み込むスラブが高比抵抗,その上のウェッジマントルが低比抵抗となる構造コントラストが捉えられた.
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Research Products
(3 results)