2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F02177
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
依田 幸司 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MD Shah Alam Bhuiyan 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 酵母 / ゴルジ体 / 必須遺伝子 / 小胞輸送 / 膜タンパク質 |
Research Abstract |
酵母のゲノム情報から、遺伝子破壊により生育できなくなる必須な遺伝子で、これまで解析されていない膜タンパク質をコードするものをデータベース検索で得た。これらの遺伝子が、片方で破壊されている二倍体株に、当該遺伝子をプラスミドで導入して胞子形成させ、四分子解析により、確かにデータベースで予想される遺伝子が実在し、生育に必須であることを確認していった。更にそのなかで、産物にGFP, myc, HAなどのタグをつけて導入しても生育回復活性を失わない遺伝子を選び出した。これによって蛍光顕微鏡で細胞内の局在性を調べることが可能になり、ゴルジ体および近傍の小胞輸送系オルガネラに局在しているものを複数見出した。次いで、YBR070cおよびYFR042wについて、その生育に必須な機能をより詳細に解析するため、in vitroのPCR mutagensisを行い、これらの遺伝子の温度感受性変異株を複数種類造成することに成功した。これらの温度感受性株は、37℃にすると直ちに生育を停止したが、変異タンパク質の局在は野生型と変わらなかった。この非許容温度において、カルボキシペプチダーゼYの細胞内輸送にはいずれの変異でも影響は認められなかったが、YBR070c変異株でインベルターゼの輸送の阻害と、小胞体内腔タンパク質BiP(Kar2)の培地への漏出、即ち小胞体局在機能への影響が認められた。これらの従来未解析だったゲノム情報について、貴重な変異株及び遺伝子資源を得て、新たな細胞の現象を発見したことは、学術上重要な成果であり、これからの更なる研究の発展も期待される。
|