2004 Fiscal Year Annual Research Report
冠動脈疾患発症におけるCD36の生理的意義に関する研究
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02F02256
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山下 静也 大阪大学, 医学系研究科, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JANABI Mohamed Yakub 大阪大学, 医学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | CD36欠損症 / 冠動脈疾患 / メタボノックシンドローム / 高脂血症 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
私共が見出したCD36欠損症例(n=29)では、血清総コレステロール値は正常であったが、平均トリグリセリド(TG)は対照に比し有意に高く、約8割に高脂血症(主として高TG血症)を認めた。また、HDLコレステロール(HDL-C)は有意に減少していた。CD36欠損症患者では、動脈硬化惹起性であるレムナントリポ蛋白の増加がミッドバンドとして観察された。さらに、患者リポ蛋白を超遠心法にて分離して定量すると、VLDLコレステロール、IDLコレステロールの増加とHDL-Cの減少が確認された。従って、CD36欠損症では内因性リポ蛋白であるIDLと外因性リポ蛋白であるカイロミクロンレムナントの両者の代謝系に異常が存在した。CD36欠損症患者における動脈硬化危険因子の保有数について、健常人と比較検討すると、動脈硬化危険因子を複数有する場合が多く、CD36欠損症はマルチプルリスクファクター症候群(メタボリックシンドローム)を呈していた。CD36欠損と動脈硬化との関連を解明するため、一般健常群と冠動脈疾患群におけるCD36欠損症の頻度を検討したところ、それぞれ0.3%、0.9%であり、冠動脈疾患群でのCD36欠損症の頻度の方が高かった。従って、CD36欠損症は冠動脈疾患のリスクになると考えられた。さらに、Janabi氏はCD36ノックアウトマウスの解析も行い、本マウスでは空腹時TGが高値であり、高脂肪食負荷を行うと、野生型に比較して、負荷後TG値が高値で、また遷延して上昇が認められ、食後高脂血症の存在が示唆された。
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Research Products
(1 results)