2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F02261
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
島崎 潤 東京歯科大学, 歯学部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MURAT Dogru 東京歯科大学, 歯学部, 外国人特別研究員
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Keywords | アトピー性角結膜炎 / 結膜杯細胞 / Imression Cytology / Brush Cytology / ムチン / Real Time PCR / 免疫染色 |
Research Abstract |
我々はすでにアトピー性結膜炎に伴うドライアイにおいて、impressioncytologyを用いて、結膜杯細胞密度が低下する、杯細胞機能不全状態が原因であろとを示し、数々の報告を行ってきた。我々は次の課題としてアトピー性結膜炎における結膜杯細胞の病態生理を検討するために次に、アトピー性角結膜炎を有するものは23例42眼、コントロール症例は20例40眼に対し角膜知覚検査、シルマーテスト、涙液層破壊時間(BUT)、生体染色、結膜のimpressioncytology(IC), brushcytology(BC)を施行した。BCで得られた細胞にRealtimePCRを行い、Muc5ACmRNAならびにMucin4mRNAの発現を調べた。症例を角膜潰瘍の有無によって2群に分けた。角膜非潰瘍群に対し潰瘍を有する群では、角膜知覚の低値、BUTの短縮、生体染色スコアー高値、BCでの炎症細胞数の高値、ICでは角化の亢進、杯細胞低値を認め、PAS染色陽性のムチンが豊富に採取されたが、Muc5AC抗体による染色は陰性であった。角膜潰瘍眼でMuc5ACmRNAの発現が低下していた。Mucin4に関しても同様な結果が得られました。アトピ性疾患例で角膜潰瘍の発症機序に炎症の存在、涙液の異常、Muc5ACおよびMucin4の低下が関与していると思われ、眼表面を保護するために他のムチンが分泌されている可能性を示していると考えられた。本研究によってアトピー疾患におけるドライアイがムチン不足型のドライアイであると思われる。今度眼表面の他のムチン、特にmucin1,2,7,16の発現の違いを検討すべきと思われる。アトピー疾患眼表面では低下しているムチン類がわかれば、混合ムチン点眼薬の開発と新しい治療の可能性も十分あると思われる。
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