2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F02313
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 健治 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
THOTA Narayana Rao 名古屋大学, 地球水循環研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 降水システム / ウインドプロファイラー / レーダ / 衛星データ |
Research Abstract |
1997年11月に打ち上げられ現在も運用されている熱帯降雨観測衛星(Tropical Rainfall Measuring Mission : TRMM)のデータを用いてインドの降水特性を調べた。地上データとしては、インド南東部のGadanki(13.5N,78.2E)にある大型大気観測用レーダの施設と独立行政法入情報通信研究機構の沖縄亜熱帯計測技術センターのものを用いた。Gadankiのデータは、地上の降水粒子の粒径分布を測定する雨滴計のデータ、1.3GHz低層大気観測用ウィンドプロファイラレーダデータ、また雨量計データである。ウィンドプロファイラレーダデータは、欠測があり、3回の雨季に限られたが、他は5年間のデータである。衛星データはTRMMに搭載されている降雨レーダのデータであり、1998年から2002年までの5年間のデータである。以下に特にインド南部についての結果について述べる。 1)月平均降雨量は5月-12月の雨季についてはTRMMのデータと地上データとは良く合った。しかし、0.5mm/h以上の降雨強度の雨のみを抽出すると、衛星データは過小であった。 2)日変化については、陸上において雨季の午後の降雨ピークが、海上では午前のピークが観測されており、これももっともな結果であった。 3)日変化はインド南部の西側では南西モンスーンの影饗から5-9月に降雨が多く、この時には陸側では午後のピークとともに午前の弱いピークがあった。その一方、東側では北西モンスーンの影響による雨季11-12月について、同じように陸側で午後のピークとともに午前の弱いピークが見られた。風向を考慮すると、これらは海で見られる午前の降雨の風による陸測への侵入に起因すると考えられた。 4)1.3GHzウィンドプロファイラレーダの校正を雨滴計との比較によって行ったところ、弱い雨では校正が可能であったが、強い降雨ではウィンドプロファイラレーダの受信機の飽和によると考えられる現象により良いデータは得られなかった。また雨滴の落下途中の蒸発によると思われる雨滴計側の過小測定が認められた。 5)TRMMとプロファイラレーダとの比較では、事例は限られたものの降雨の鉛直構造が測定されていることが確かめられた。 6)降水粒子が固体から液体に変化する融解層の高度についてもウィンドプロファイラレーダと衛星データとは良い一致を示した。
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Research Products
(3 results)