2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F02332
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中川 一 京都大学, 防災研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAHMAN Md. Munsur 京都大学, 防災研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 安定河道 / 沖積河川 / 河岸侵食 / 水制 / バンダル / 護岸 / 長期 / 土砂制御 |
Research Abstract |
バングラデシュでは、ガンジス川、ジャムナ川、ブラマプトラ川といった沖積河川の河道安定を図るため、水制や護岸といった河岸侵食防止対策が導入されている。しかしながら、各地でこれらの対策工が破壊されたり危険な状態になったりしているが、このような破壊現象については十分な知見が得られているとは言い難い。また、低コストで、かつ、現地で調達可能な現地適用型の河道安定化対策法が強く求められている。そこで、本研究では河道を安定させるためには河川構造物、特に水制周りの局所洗掘について、許容洗掘深を定量的に評価する必要があることから、新たな最大洗掘深の評価法を開発し、バングラデシュの沖積河川に配置された水制群周りの局所洗掘の現地データおよび水理模型実験による水制周りの最大局所洗掘深の実験値が本モデルで精度よく予測できることを明らかにした。さらに、河道の安定化を低コストで実施するための工法を開発するために、現地で経験的に利用されているバンダルという構造物の効果を現地データを用いて検討した。その結果、ある場所では航路維持と河岸侵食防止に効果があるものの、別の場所では有意な効果が認められないことが判明した。これは、バンダルの配置パターンによって、形成される組織的な渦のスケールが異なり、航路維持(水深の確保)と河岸侵食防止に最適な配置パターンが存在することが明らかになった。さらに、不透過型水制、透過型水制、バンダル水制、改良バンダル型水制(流速が速い水面付近では不透過型の水制部で水刎の効果で澪筋の確保を期待し、流速が遅くて浮遊砂濃度が高い下層部分では透過型の水制により土砂を河岸付近に堆積させて河岸侵食を防止する機能を持つ水制)について、同一水理条件の下で澪筋の確保、河岸での侵食防止、水制周辺の局所洗掘といった視点で各水制の機能評価を行い、改良バンダル型水制の優位性を明らかにした。
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Research Products
(5 results)