2004 Fiscal Year Annual Research Report
生体吸収性ポリマーインプラントを用いた成長因子の調節除放
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02F02345
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
亘理 文夫 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ROSCA Iosif Daniel 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | カーボンナノチューブ / カルボキシル化 / バイオ応用 / SEM / 溶解性 / 自己組織化 / 表面処理 / ラマンスペクトル |
Research Abstract |
カーボンナノチューブに成長因子を坦持させインプラントとして用いるためには表面処理が必要である。カルボキシル官能基を生成させる酸化反応には一般に硝酸が使用される。その場合、特にナノチューブ末端が酸化反応を受けその表面には欠陥が生ずる。導入されたカルボキシル基はナノチューブへ異なった相での溶解性を付与し、他の分子または高分子との結合を可能にする。しかしながら酸化プロセスの間にナノチューブの重要な部分が損出しまう。そこで本研究では、酸化の速度論的な検討およびナノチューブの溶解性を最大にし欠損を最小にする最適反応条件の評価を行った。 反応パラメータとして温度、酸濃度、初期ナノチューブ濃度を、速度論的パラメーターとして重量損出、ラマンスペクトル、溶解性、自己組織化性を評価した。重量損出は温度と酸濃度に強く依存したが、多層カーボンナノチューブ(MWCNT)の初期濃度は重量損出にわずかに影響する程度であった。ラマンスペクトルの特徴的なGとDバンドはローレンツ関数にてフィッティングし、GとDバンドの面積比は酸化速度論的に補正した。その結果、酸化が進むに従い面積比が増加しカルボキシル基とアモルファスカーボンの形成によりグラファイト構造が減少した。溶解性は温度、酸濃度、酸化時間に強く依存し、濃硝酸の沸点で48時間酸化するとMWCNTの溶解性は40mg/mlを超え90%以上が損出した。24時間まで酸化時間を減少させた場合、溶解性は20-25mg/mlと高い値を示し重量損出は30-40%で止まった。 多くの実用的な応用のためにはナノチューブを整列させることは重要である。酸化したナノチューブの走査型電子顕微鏡(SEM)観察の結果では、一般的に濃硝酸(>60%)中、沸点にて9-12時間酸化するとMWCNTは自己組織化を示すことが明らかとなった。自己組織化過程によりナノチューブの立体配置は、曲がった状態から長くほぼ真っ直ぐなバンドルを形成し好まれる伸びた状態へ変化すると考えられる。
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Research Products
(3 results)