2004 Fiscal Year Annual Research Report
中国、和県及び宜昌におけるオルドビス紀・シルル紀境界の堆積相と生物事変
Project/Area Number |
02F02351
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 良 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Yue 東京大学, 大学院・理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | オルドビス-シルル境界 / 炭素同位体組成 / デボン起 / 冷温 |
Research Abstract |
南京地質古生物研究所の李博士との共同研究により、オルドビス紀とシルル紀の堆積物と生物進化について、現地調査、資料の分析と他のデータとの比較、研究会での発表と議論を通じて、次のことを明らかにする事ができた。 1、共同野外調査の実施。 (ア)李博士はこの時代のセクションについて非常に博識であり、日本滞在集に多くの情報を得る事が出来た。そのデータを元に、現地調査とサンプリング、を行った。調査地域は揚子江の中流れにあたる宣昌付近である。ここで、従来の標識的露頭とされている場所から南に約500mの地点の河川敷に非常に保存の良い化石を含むセクションを発見した (イ)露頭オーダーで、従来は孔隙が大きい奇妙な堆積岩をされていたのが、実は炭酸塩岩の炭酸塩分が溶けてしまったものであることを明らかにした。 2、試料の分析を他のデータとの比較。 (ア)炭素同位体の正の異常が認められ、その直後に負の異常も認識できた。これは、堆積場の海洋の構造に関する変動の可能性がある。 (イ)境界付近では希土類元素の異常から還元的な環境が卓越したと言える。 3、国際標準セクションの提案。 (ア)調査したセクションは中国では古くから調査隊が入っており、化石データは非常に精密なデータがある。それらのデータを今回の我々の調査によって得られた同位体データと合わせる事により、ユネクソに対して「国際標準境界」を提案することが出来よう。 4、他のセクションへの展開と今後の共同研究。 ガスハイドレートが関与した可能性のある中国の境界層について、あらたに、デボン紀末期の絶滅事件に関わるセクションの調査を行った。今後はO/Sだけでなく、F/Fについても詳細なデータを得たい。
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