2004 Fiscal Year Annual Research Report
燃焼プロセスにおける水銀の挙動解明と炉内制御技術に関する研究
Project/Area Number |
02F02373
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
成瀬 一郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YAO Hong 豊橋技術科学大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 水銀 / 燃焼 / 捕捉剤 / 石炭 / 廃棄物 / 微量金属 / 下水汚泥 / 微粒子 |
Research Abstract |
本研究では、固体燃焼プロセスにおける水銀の放出挙動を解明するために、まず、水銀化合物の基礎的な放出特性と捕捉剤添加による水銀吸収特性について明らかにした上で、固体燃焼・熱分解・ガス化条件における水銀の基礎放出挙動、電気加熱式ドロップチューブ燃焼炉(DTF)による汚泥燃焼場における水銀放出挙動について検討し、以下のような結論を得た。 1)水銀化合物の基礎放出特性と捕捉剤添加による水銀吸収特性 水銀化合物の放出挙動は化合物の融点に依存する。また、雰囲気によっても異なり、塩化第二水銀は塩化水素が存在すると放出が遅延される傾向にあり、硫酸第二水銀ならびに酸化第二水銀は放出が促進される。捕捉剤添加による塩化第二水銀の吸収は難しく、今後新たな捕捉剤の探索が必要である。 2)固体燃焼・熱分解・ガス化条件における水銀の基礎放出挙動 熱天秤実験の結果より、燃焼条件における水銀の放出挙動は試料中の水銀含有量に対する硫黄含有量に依存する。また、ガス化条件に関しても同様であるものの燃焼条件に比べ放出温度は低い。一方、熱分解条件では、試料中の塩素含有量に依存し、塩素濃度が高いほど放出温度も低くなる。また、化学平衡計算結果より、燃焼場における水銀は比較的低温場である約573K前後までは硫酸第二水銀の凝縮相として存在し、中温場(約1173K)ではガス状の塩化第二水銀として存在する。また、このガス状の塩化第二水銀が存在可能な温度は、塩化水素濃度が高いほどより高温になる。1173K以上の高温場ではガス状の元素水銀として存在する。なお、ガス化の場合、全ての温度領域でガス状の元素水銀として存在する。 3)DTFによる汚泥燃焼場における水銀の放出挙動 水銀の放出率は熱天秤実験結果と比較すると少し高くなるものの、おおよそ熱天秤実験と類似しており、熱天秤実験でも水銀放出挙動を十分模擬できる。
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Research Products
(4 results)