2004 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノ粒子よりなる超薄磁気センサフィルムの合成とキャラクタリゼイション
Project/Area Number |
02F02385
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Research Institution | Tokyo University of Science, Yamaguchi |
Principal Investigator |
戸嶋 直樹 山口東京理科大学, 基礎工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DU Xucyan 山口東京理科大学, 基礎工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 磁性金属ナノ粒子 / 磁気記録 / 金属ナノ粒子 / CoPt_3ナノ粒子 / 高密度記録 / 磁気センサ / 遂次還元 / NaBH_4 |
Research Abstract |
2000年春のクリントン宣言以来、ナノテクノロジー関連研究は大きく進展している。本受入研究者らは、高分子保護金属ナノ粒子の合成とキャラクタリゼイションの研究に長年携わり、主にその触媒機能に注目して研究してきた。最近、その同じ金属ナノ粒子が次々世代に要求されるテラビットメモリー用の高密度磁気記録触体として極めて有効であると認識され始めた。 そこで本研究では、カルボニル錯体を原料とする従来の方法よりも簡単で安全な方法で、高分子保護磁性金属ナノ粒子の分散液を合成し、磁気センサフィルムとし、その性質を調べることを目的とした。当初FePtナノ粒子の合成を目的として始めたが、種々の状況を勘案して、本研究では、Co/Pt系磁性ナノ粒子の合成を目指すことにした。我々はすでに遷移金属/貴金属系の合金ナノ粒子についていろいろな合成法を開発していたので、それらを今回のCo/Pt系に応用展開し、種々の方法で合成した。 最終的に水素化ホウ素ナトリウムNaBH_4を還元剤とし、還元方法としては、同時還元、Pt→Coの遂次還元、およびCo→Ptの遂次還元の3方法を試みた。最後の順序での遂次還元が最も良い結果を得た。この方法を用いることで、初めてCo/Pt比が仕込み元素比に近いものが得られた。またその構造はコア/シェル構造ではなく、合金構造であった。 このCoPt_3合金ナノ粒子は、平均粒径2.6nmでfcc構造を持ち、熱処理せずに1.85Kで980 Oeという比較的高い保持力を持ち、500℃で熱処理すると、920 Oeに減少する。CoPt_3合金ナノ粒子で、これだけの保持力を持つものは初めてであり、これは、今回の方法を用いることでfccの完全な合金構造を構築することに成功したためと考えている。 さらに第3成分として、AuやAgを入れた三元金属ナノ粒子を作ったところ、特にAgの添加により保持力が3倍に増えることが明らかになった。
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