2004 Fiscal Year Annual Research Report
インターロイキン-18欠損マウスにおけるインフルエンザウイルス感染防御機構
Project/Area Number |
02F02529
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
木村 吉延 福井大学, 医学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOSSAIN Mohammed Jaber 福井大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | influenza virus / IL-18 / IFN-γ / NK cells |
Research Abstract |
インターロイキン-18(IL-18)はT細胞に作用してガンマー型インターフェロン(IFN-γ)産生を誘導するサイトカインである。さらにT細胞増殖促進、NK細胞活性化、炎症性サイトカイン産生誘導、Fas ligandやperforinを介する細胞傷害活性増強、抗腫瘍性を示す。IFN-γはマクロファージ活性化、NK細胞活性化、MHC発現増強、細胞増殖調節などTh1サイトカインネットワークを形成する。したがって細胞内寄生性病原体に対して治療・予防効果を示す。 IgE産生を抑制することからアレルギー反応を抑える可能性が示唆されるが、一方ではTh1リンパ球に作用して炎症性過敏反応を惹起する。そこで本研究ではIL-18ノックアウトマウスを使用し、インフルエンザウイルス感染病理、ウイルス特異的免疫応答、Th1系、及びTh2系の各種サイトカイン産生動態を明らかにして、IL-18のインフルエンザウイルス感染に対する治療薬として、またワクチン予防効果賦活剤としての臨床応用に発展させることを目的とした。IL-18が欠損するとインフルエンザウイルスの肺内増殖は増大し好中球による肺への細胞浸潤がおこり、NO産生が亢進する。IFN-γ産生誘導は抑制される代わりにIL-12が代償的に高値を示すが、依然としてNK細胞介在細胞傷害活性はほとんど低値にとどまる。ウイルス特異的免疫反応誘導には全く影響をもたらさない。すなわち、IL-18はウイルス感染の早期からIFN産生やNK細胞を活性化させることによって、ウイルス特異的免疫反応出現以前に、肺におけるウイルス増殖を抑制する。なお、IL-12もIL-18と同様な生物活性を示すが単独ではIL-18の全ての機能を担うことはできない。
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Research Products
(7 results)