2004 Fiscal Year Annual Research Report
先天代謝異常症・Wilson病の頻度、遺伝子変異、治療法等の中国と日本での比較検討と治療法の確立
Project/Area Number |
02F02535
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
児玉 浩子 帝京大学, 医学部, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GU YAN-HONG 帝京大学, 医学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 遺伝代謝病 / Wilson disease / Copper / Mutation / Genotype / Phenotype / ApoE / Promotor |
Research Abstract |
ウィルソン病は常染色体劣性遺伝の銅代謝異常症である。発病率は35,000に1人、保因者は約90人に1人で、諸外国の発症率は同じである。欧米ではH1069Q変異、日本ではR778L変異が多いと報告されている。しかし、中国の患者に関する遺伝子解析、genotypeとphenotypeの分析の報告は少ない。本研究は中国のウィルソン病患者の遺伝子変異を明らかにし、更にgenotypeとphenotypeの関連について調べることを目的とした。 【対象および方法】中国人医師の協力を得て、50人のコントロールと40人の子ども患者からゲノムDNAを抽出した。ATP7B遺伝子の全てのエクソン、Promotor領域およびApoEのgenotypeをPCRで増幅し、direct sequencing法で調べた。 【結果および考察】1.中国人患者のATP7B遺伝子において計28の変異と17の多型が同定された。最も多い変異はR778Lであって、ヨーロッパの患者と違った結果を示した。R778L変異を有する患者においてgenotypeとphenotypeの関連はみられなかった。2.ATP7B遺伝子において変異を見つけていなかったアレルに関して、この遺伝子のPromotor領域を調べたところ、一つの変異と8の多型が同定された。1と2の結果は中国人ウィルソン病の遺伝子診断とカウンセリングするのに有意である。3.ヨーロッパの患者と違って、中国人患者の発症年齢と臨床症状はApoE genotypeとの関連はなかった。
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Research Products
(6 results)