2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F02778
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
及川 武久 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIU Jianjun 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 炭素循環 / 草原 / 生態系 / 地下部 / バイオマス / 生産量 |
Research Abstract |
草原生態系の植物体に蓄積されている炭素量は地上部現存量と地下部(根、地下茎などの地下器官を含む)現存量の両方を含む。地上部に関してはそれまでに多くの研究成果があり、しかし、地下部に関しての実測例はとても少ない、特に植生の地下部から土壌への炭素移入量についてはあまり明らかとなっていない。本研究が調査地とする筑波大学陸域研究研究センター圃場のC3/C4混生草原では、1992年以降長期間にわたって継続して植生調査が行なわていて、C3植物とC4植物のバイオマスやLAIの季節変化と気象要因との相関関係などことが明らかになっている。しかし,地下部バイオマスと成長量に関するのデータは殆どなかった。そこで、今回はC3/C4混生草原の炭素循環における地上部の役割を定量的に明らかにするために地下部のバイオマス、成長量の季節変化を調査して、C3/C4混生草原の地下部を含めて炭素動態という観点から解析する。 16年度(10月以前)に以下の研究結果が上がった。 本研究の調査地となったC3/C4混生草原では、C3植物であるセイタカアワダチソウ優勢区において、生きている地下部バイオマスは1580,7gd,d.w.m^<-2>で、地下部の成長量は481.7gd.w.m^<-2>yr^<-1>で;死んた地下部バイオマスは593.7gd.w.m^<-2>で、地下部のリターフオールは483.6gd.w.m^<-2>yr^<-1>であった。C4植物であるチガヤの優勢区では、生きている地下部バイオマスは1762.1gd.w.m^<-2>で、地下部の成長量は584.1gd.w.m^<-2>yr^<-1>で;死んた地下部バイオマスは456.4gd.w.m^<-2>で、地下部のリターフオールは318.7gd.w.m^<-2>yr^<-1>であった。C4植物でありススキの優勢区では、生きている地下部バイオマスは 2624.9gd.w.m^<-2>で、地下部の成長量は875.0gd.w.m^<-2>yr^<->で;死んた地下部バイオマスは538.7gd.w.m^<-2>で、地下部のリターフオールは351.7gd.w.m^<-2>yr^<-1>であった。 地下部バイオマスおよび成長量は優先種によっておおきく変動し、地下部の成長は地上部の成長を依存することを明らかにした。本草原サイトのように、地下部バイオマスに貯留されている炭素量は草原生態系における重要なリザーバーとして機能していることを示唆した。 第51回日本生態学会大会で発表された講演要旨(August 26,2004):陸域環境研究センター圃場におけるC3/C4混生草原の地下部バイオマスと成長量の季節変化の論文を発表した。
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Research Products
(1 results)