2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02F02820
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
平岡 昇 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BHATT Indra Dutt 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 国際研究者交流 / インド / 薬用植物 / 植物組織培養 / 遺伝資源保存 / 冷蔵保存 / アルカロイド / 熱帯植物 |
Research Abstract |
試験管内で長期間冷蔵保存した植物器官から復元した植物群と非冷蔵対照植物群の植物学的形質並びに含有有効成分の定性的・定量的形質の同等性を検証することにより、薬用植物遺伝資源の試験管内保存法の信頼性と汎用性を実証することを目的として研究した。本年度は特に熱帯植物を対象にして次のような結果を得た。 南米熱帯原産の木本植物ブルグマンシア(Brugmansia versicolor、ナス科)および熱帯アジア原産の草本植物チョウセンアサガオ(Datura metel、ナス科)の試験管内シュート培養とその植物再生系を確立した。培養シュートを5,10,15℃、明所または暗所の組合せ条件下で保存した。5℃で6ヶ月間保存したシュートはすべて生存できなかった。10℃で1年間保存したシュートでは一部分が生存した。15℃で1年間保存したシュートは両種ともに生存が可能であった。低温保存中の光照射の影響に関しては、一定の結論は得られなかった。15℃で1年間保存した両種のシュートは非冷蔵株と同等の増殖率、発根率を示した。両種の再生植物については、植物の形態に異常は観察されなかった。両種に共通の有効成分であるトロパンアルカロイドの蓄積能にも変化は認められなかった。したがって、これらの熱帯植物は、15℃で1年間、形質への悪影響を受けることなく試験管内保存が可能である。 熱帯原産のレモングラス(Cymbopogon citratus、イネ科)の培養シュートは、15℃で6ヶ月保存が限度であった。現在、その再現性を確かめる実験および精油成分の検定方法の検討を継続中である。北海道および本州北部に自生するエゾエンゴサク(Corydalis ambigua、ケシ科)の培養不定胚は、1℃で少なくとも1年間は低温保存が可能であり、この間は不定胚の増殖は起こらないが、不定胚から塊茎へ肥大成長が起こることを確認した。植物中のアルカロイド分析の準備として、今年度は不定胚中のアルカロイド生成について検討した。
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Research Products
(3 results)