2002 Fiscal Year Annual Research Report
調和写像の特異集合と安定性の解析とその幾何学への応用
Project/Area Number |
02J00114
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中島 徹 北海道大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 調和写像 / 不連続点 / 安定性 / 写像度 |
Research Abstract |
コンパクトリーマン多様体間の調和写像の不連続点の解析を行っている.特に値域となる多様体が球面の場合は、液晶などの物理的問題と関連し、近年多くの数学者によって研究されている。しかし、球面は次元ごとに幾何学的性質が異なるため、次元に適した手法を用いる必要がある。私が研究しているのは、定義域が4次元の領域であり値域が3次元球面の場合である.この場合、定常という条件を有する調和写像は安定性がある場合、不連続点の近傍での挙動に強い制限をうけることになることを示すことが出来た。具体的には、不連続的の近傍での写像度が、0または±1となることを示し、さらに、もし±1の場合は漸近的な挙動の分類を行うことが出来た。但し、写像度が0となるような不連続点をもつ調和写像で定常かつ安定なものが存在するかはわかっておらず、現在研究を行っている。但し、このような調和写像がもし存在すれば、エネルギーに強い制限をうけること及び像にも制限がかかることがわかった。またここで行っている手法が他のリーマン多様体間の場合にも用いることが出来るかということについても研究を行っているが、今のところそのようなものは見つかっていない。また他の球面の場合も同様の問題を考察しているが、これらも何も得られていない。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Toru Nakajima: "Stability and Singularities of harmonic maps into 3-spheres"Nonlinear Analysis. (in press).
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[Publications] Toru Nakajima: "Stability of the energy minimizing map x/|x|"Communications in Partial Differential Equations. 26. 1175-1181 (2001)