2002 Fiscal Year Annual Research Report
コミューター航空を活用したハブ・アンド・スポークシステムの構築と地域振興方策
Project/Area Number |
02J00137
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
日野 智 北海道大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ハブ・アンド・スポークシステム / コミューター航空 / 空港計画 / 交通手段選択 / 意識調査分析 / 需要推計 / ロジット型価格感度分析法 / 実験計画法 |
Research Abstract |
コミューター航空はハブ空港と需要量の少ない地方空港とを結ぶフィーダー路線としての役割を果たすことができる。現在、空港が存在していない地域において、その効果は特に大きなものと考えられる。本研究では、北海道宗谷支庁の歌登町・枝幸町・中頓別町・浜頓別町の4町からなる宗谷南部地域における意識調査を実施し、地域におけるコミューター航空の実現可能性を検討した。 調査は2002(平成14)年5月に第一回調査、6月に第二回調査を実施した。第一回調査では地域航空の運賃に対する価格感度や運航時刻などに対するニーズ、交通機関選択時に重要視すること等を質問し、第二回調査では地域航空の利用意識を主に質問している。意識調査を二回に分けることで、第一回調査で得られた結果を第二回調査における質問に反映させ、よりよい成果を得ることを目指した。 ロジット型価格感度測定法による分析を行った結果、宗谷南部地域と新千歳空港の間のコミューター航空運賃は約10,000円〜15,000円の間で提供すべきであり、運賃が約12,000円以下なら、航空運賃を安いと感じる住民が多いことが明らかとなった。また、これらの数値は既存交通機関のものを上回っており、所要時間の短縮などの地域航空がもたらす効果に地域住民が価値を感じているものと考えられる。 実験計画モデルを用いて地域住民のコミューター航空の利用意識を分析した結果、利用意識には運航本数等よりも航空運賃が大きく影響していることが明らかとなった。また、分析結果からコミューター航空の需要推計を行い、ロードファクターを算出した結果、コミューター航空の就航には地域からの需要量だけでは不足であり、地域外からの旅客についても考慮すべきことが明らかとなった。また、KLPと地域航空選択率モデルによる需要推計とを比較した結果、KLPは利用意識と強い関連性を持ち、実現可能性を検討する指標となりうることについても明らかとすることができた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 日野智, 岸邦宏, 佐藤馨一: "高速交通空白地域における都市間交通サービスの評価"土木計画学研究講演集. 25. (2002)
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[Publications] 日野智, 岸邦宏, 佐藤馨一: "価格感度分析による北海道におけるコミューター航空のサービス評価"土木学会北海道支部 平成14年度論文報告集. 59. 610-611 (2003)